※2024/10/27に記事を修正しました。
今回は、補正有り特許査定率の活用方法を説明します。前回の補正無し特許査定率の活用方法と一部の内容が重複します。
補正有り特許査定率は、査定直前に意見書と同日に手続補正書が提出された特許出願の特許査定率です。拒絶理由通知書に対して手続補正書だけで応答するケースもあるのですが、拒絶理由通知書に対する応答ではない手続補正書とデータ上区別するのが難しいので、意見書と同日に提出されていることを要件にしています。
2014年以降における上記特許出願の集計結果は、下記の通りです。
特許査定数: 1,519,017
拒絶査定数: 362,763
ファーストアクション後の取下げ等の数: 3,585
特許査定率: 80.57%
補正無し特許査定率(意見書だけで応答した場合の特許査定率)の回でも記載しましたが、査定直前に意見書だけで応答するケースは、査定直前に補正書も提出するケースに比べて、レアであり、20件に1件程度のようです。補正無し特許査定率は、60.20%であり、補正有り特許査定率に比べて極端に低いわけではないので、補正せずに応答するケースがもう少し増えても良いのかなとは感じます。
補正有り特許査定率の分布は、下記の通りです。査定等の数が100未満の特許審査官は、下記分布でカウントしていません。足切りの閾値が大きいこともありますが、補正無し特許査定率ほどのばらつきはみられません。
前回の補正無し特許査定率の記事の通り、一部の特許審査官は、補正無し特許査定率が非常に低いので、このような特許審査官に対しては、何らかの補正をした方が良いでしょう。一方で、補正無し特許査定率と、補正有り特許査定率と、があまり変わらない特許審査官も一定数います。特許審査官の個別具体的な傾向を考慮して補正の要否を検討すると、より精度の高い応答が可能と考えます。
以上が補正有り特許査定率の活用方法です。次回は、1年ごとの特許査定率の推移の活用方法を説明する予定です。
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