当サイトのページでは閲覧できないのですが、当サイトの集計プログラムを流用して、出願人ごとの権利化状況に関する統計情報を集計可能です。貴方の会社の権利化状況と、競合他社の権利化状況と、を比較することによって、自社の権利化業務を見直す良いきっかけになるでしょう。
今回は、2つの自動車メーカーの特許査定率と拒絶理由条文コードの適用率を集計しました。出願人名は、「A自動車」と「B自動車」といったように伏せさせて頂きます。比較結果は、下記の表の通りです。下記の表では、比較用に日本全体の数値も載せています。特許査定率は、直近10年間の集計結果であり、拒絶理由条文コードの適用率は、拒絶理由条文コードが新形式になった2021年5月以降の集計結果です。
A自動車とB自動車の特許査定率と一発特許査定率は、何れも日本全体に比べてかなり高いようです。特許査定率は、最初の査定で特許査定になる確率なので、前置審査や審判段階で拒絶査定が覆った特許出願を含めた登録率は、更に高くなります。
A自動車とB自動車の統計情報を比較すると、B自動車の特許査定率は、A自動車に比べてかなり高く、B自動車は、最初の査定の段階ではもう少し攻めても良い可能性があります。逆に、A自動車の一発特許査定率(拒絶理由通知書無しの特許査定率)は、B自動車よりも高く、A自動車は、出願時の請求項をもう少し攻めても良い可能性があります。
拒絶理由条文コードの適用率(拒絶理由通知書で各条文が適用される確率)に関し、A自動車とB自動車の統計情報を見る限り、自動車メーカーは、記載不備系の条文を受けにくいようです。A自動車とB自動車で差があるのは、明確性と単一性あたりでしょうか。このあたりの統計情報を考慮して、明確性や単一性等の対策を見直すと、より精度の高い権利化業務が可能になるでしょう。
今回の投稿では載せていませんが、出願人ごとに、面接審査有りの特許査定率、補正無し特許査定率、補正有り特許査定率、前置査定率、所属部署(技術単位・審査室)の統計情報、及び特許審決率等を集計することもできます。これらの統計情報を考慮して、自社の権利化業務を見直すのも良いでしょう。ご興味がある方は、当サイトの運営者のメールアドレス「mail@examinerlab.net」までご連絡下さい。
なお、個々の特許審査官の傾向を見ると、A自動車に厳しくB自動車に甘い審査官などもいます。出願人ごとの各特許審査官の傾向については、次回以降にお載せしますのでお楽しみに!
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